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災害時に地域の一員として 私たちにできることは【防災訓練】

  災害は学校にいるときだけに起こるものではありません。自宅で被災したとき、地域の一員としての役割を担える生徒であって欲しい・・・ということで、今年度の本校の新たな試みとして「宮古市総合防災訓練(8月25日)」に参加し、一市民として地域の方々とともに防災訓練に取り組みました。
 現地集合できる生徒は宮古市総合防災訓練に参加。現地集合できない生徒のために、宮古市、岩手県立大学、東北学院大学の協力により宮古水産高校でも防災訓練を行っていただき、同日に2会場に分かれての防災訓練となりました。


1 訓練会場

(1)宮古市総合防災訓練会場:旧赤前小学校、赤前コミュニティ消防センター【現地集合・現地解散可能な生徒が参加】

(2)宮古水産高校会場:体育館、集会室【現地集合・現地解散できない生徒が参加】

 こちらの会場での体験企画は、岩手県立大学防災復興支援センター、東北学院大学情報学部の教員・学生のみなさんが運営を担当してくださいました。

2 訓練内容(宮古市総合防災訓練)

(1)シェイクアウト訓練

 地震発生時、その場で低い姿勢をとり、自分の身を守る。

(2)高台避難

 徒歩移動ができる人と車椅子などで移動する人ではルートが異なります。車椅子などの移動補助も高校生が力を発揮できそうです。

(3)物資輸送訓練

 ドローンで孤立地域へ物資を輸送する訓練を見学。

 “ ドローン ”と言って通常思い浮かぶものより大型。みんな興味津々です。

(4)避難所運営開設訓練

 まずは個別空間が確保できるように、しきりを設置。さらに、簡易ベッドを組み立ててしきりの中へ。生徒たちは、最初は不慣れなため用具を扱いにくそうでしたが、少しずつコツをつかんでいました。やってみて、自分で感覚をつかむことが大事なのでしょうね。

 東日本大震災のとき、配給されたこの毛布に助けられたことを思い出しました。実際に避難所を運営するとなると、下足置き場もこの画像のように整然と靴が並んでいないかもしれません。間違えて他の人の靴を履いて行ってしまう人がいるかもしれません。そんなときどうするのか・・・様々なシチュエーションを想定しながら避難所運営の方法を考える必要がありそうです。

(5)初期消火訓練・火災防御訓練

 消火器による初期消火訓練と、遠距離中継送水による消火訓練を見学。

 そういえば・・・西洋料理講習会でこんな場面があったことは本校のnoteをご覧いただいているみなさまなら記憶に新しいことでしょう。突然、消火行動が必要になる場合もあるかもしれませんから、今回初期消火について学べたことはありがたいことです。

(6)水防工法訓練

 袋に砂をつめる土のう作りを体験。土のうを作ることに高校生の力が発揮できそうです。

 一つの袋に入れる砂の量や土のうの積み上げ方には経験が必要そうです。そのあたりの感覚は何度か取り組まなければ自分のものにならないかもしれませんね。

(7)救急搬送訓練

 腕を骨折したけが人(想定)を防災ヘリで救助。

 ホバリングするヘリの音と強烈な風は想像以上でした。けが人を収容して帰って行く防災ヘリの姿は ” 頼もしい ” のひと言。ヘリに向かって手がちぎれるほど振ってしまいました。

3 閉会行事

 閉会行事では、宮古市長から「今回の訓練で宮古水産高校生がしっかり活動できることが分かった」と話されました。

 宮古市の防災訓練に参加して、高校生の力が発揮できそうなところを理解することができました。実際に災害が起こったときに、高校生だからこそできることに主体的に取り組み、地域を支えられる人になって欲しいと願います。
 宮古市、岩手県立大学、東北学院大学のみなさま、二つの会場での防災訓練への御支援・御協力ありがとうございました。

岩手日報令和6年8月26日付 岩手日報の許可を得て転載しています